アフガン・イラク・北朝鮮と日本
掲示板言論の推移4−国際情勢の中で
  韓国大統領選挙('02年12月)

韓国の変化
 
投稿者: Winning Research 投稿日: 12月21日(土)10時00分24秒
先の韓国大統領選挙では、大方の予想を覆して民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補が当選しました。左派の権永吉(クォン・ヨンギル)候補が100万票近く(得票率3.9%、ソウルでは11%余)を獲得したのと合わせて、韓国の変化を感じます。

韓国では80年代末に軍事独裁政権が倒れた後も、三金政治と呼ばれる保守政治家や地域ボスによる政権たらいまわしが続いてきました。盧武鉉はそれら(金大中までの古い世代)の政治家とは全く違うタイプのようです。高卒で苦学して弁護士になり、与党民主党の中でもほとんど異端に近い存在でした。この彼を当選まで押し上げたのは、先の総選挙で汚職腐敗議員を大量落選させ、女子中学生轢殺事件抗議集会(ソウルでは10万人規模)を成功させた韓国のインターネット世代です。これは、日本での、かつての米軍兵士による強姦事件に対する沖縄の全県ぐるみの抗議行動や、長野・徳島などの「脱ダム・脱ゼネコン」知事誕生にも通じる流れだと思います。
私は彼の政策は全面的に支持できないし、北に融和的な「太陽政策」には反対です。しかしこの問題も、どなたかが言っていたように「大統領を当選させる力を持つまでに成長した」韓国世論が北の真実を知れば世論が豹変するかも知れません。ここは素直に韓国の市民パワーの成長を喜びたいと思います。

韓国大統領選挙確定投票数
盧武鉉(ノ・ムヒョン)12.014.277票(得票率48.9%)
李会昌(イ・フェチャン)11.443.297票(得票率46.6%)
権永吉(クォン・ヨンギル)957.148票(得票率3.9%)

  イラク戦争開戦直前('03年3月)

戦争を引き起こすのは排外主義者たち
 
投稿者:社会主義者  投稿日: 3月10日(月)17時40分41秒
この間、ROMに回ってましたが、議論板・親板でUPされている幾つかの論点について横レスします。

●アメリカのイラク攻撃への賛否について
イラク攻撃賛成論者の言い分や、賛成識者(産経新聞、岡崎研究所HP)の言い分を聞いていると、「反戦平和主義は感情論」「日本の対米追随は(北朝鮮の存在などで)地政学的に宿命づけられている」「世界を動かすのは大国」、要するに「長いものに巻かれろ」という事でしょう。やっぱり納得できません。世界を底流で動かしているのは民衆の世論であり、少数の権力者や超大国ではない。日本や世界が、何で彼ら(権力者、超大国)の意向だけで動かされなければならないのか?庶民はただ言いなりにならなければならないのか?確かに、外交は主婦受けする奇麗事だけでは進まないし、権謀術数を駆使する事も必要だ。しかし、世界を動かしている底流から目を閉ざし、ただ覇権主義に追随するだけの日本政府の姿勢は権謀術数以前の問題。イラク攻撃賛成論者の言い分は、ブッシュ政権内部の「民主的帝国主義」(第3世界におけるかつての旧宗主国による植民地主義の復活を主張)が説く愚民論と同じにしか思えない。国益云々で言っても、(拉致問題とは直接関係はないが)昨今の不良債権処理、公共事業野放し、消費税UP・賃下げ攻撃などはアメリカと多国籍企業の圧力によるもの。庶民の立場からも彼らを野放しにする事を是認できません。

●在日コリアンの立場について
議論板・親板とも共通して、在日コリアンや韓国の政府・国民を排除する議論が目立ちます。確かに脱北者や帰国者などは、自分の意思が介在する余地など全くなかった拉致被害者とは区別して考えなければならないし、日本政府が脱北者に無条件で避難場所を提供しなければならないかどうかは議論の分かれるところだと思う。ただ、彼らも北朝鮮ジェノサイドの犠牲者であるには間違いない。在日の人も北朝鮮に人質をとられているという意味で広義の被害者だと言える。今まで金日成・金正日への個人崇拝を疑うことを知らなかった人たちがそれを疑い始めた事自体が大きな進歩です。在日コリアンや韓国人が救う会・家族会と同じ認識に到達してないからと言って、ことさら彼らとの違いのみ強調したり、逆に彼らに日本人本位の歴史観を一方的に強要するような排外主義的な議論にはついていけません。そもそもそのような議論は投稿規程(3)に抵触するのではないか。「拉致被害者救出・金正日打倒」がこの板の一致点である筈です。

●十把一からげに「左翼=親北朝鮮」と規定し、それを前提に議論する傾向について
確か義士というHNの人が親板で「腐れ左翼」と言っていた。左翼全体を腐っているかのように言うのは単なる誹謗中傷、「ためにする議論」だ。確かに既成左翼政党の指導部を見る限り、拉致問題への積極的なアプローチは弱かったと思います。社民党は言うに及ばす、共産党も含めて。ただ私が知らないだけかもしれませんが。だけど、北朝鮮人民の人権抑圧状況を憂慮し金正日政権を批判している左翼は少なくからず存在します。意見広告7人会の有田芳生氏もそうですし、他にも下記サイトも参照されたら良い。いずれも反代々木系っぽい反主流派左翼で、メジャーではないかも知れませんが。尚、下記サイトについては、拉致問題へのアプローチが私の主張に近いのでここで紹介しているのであって、私は下記サイトの立場を全面的に肯定している訳ではありません。もっと言えば、北朝鮮が本当に社会主義国家なのかという問題もある。いずれにしても、図式的な「左翼=親北朝鮮」呼ばわりだけは止めていただきたい。

※イマジン反戦日誌(加藤哲郎のネチズンカレッジ)
http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/imagine.html
イラク攻撃反対、拉致被害者救出を訴えています。ブルーリボン運動も応援しているサイトです。

※さざ波通信
http://www.linkclub.or.jp/~sazan-tu/
複数の現役共産党員が運営しているサイトらしいです。金正日政権打倒の立場を主張しています。


 [参考資料1] 引用:毎日新聞 (更新日:'03.3.20)           
アメリカのイラク攻撃始まる!! 
ブッシュ大統領のイラク攻撃開始演説(全文)
(URL)http://news.msn.co.jp/articles/snews-flash.asp?w=420449
[イラク問題] 英国連大使が仏批判 採択取りやめの会見で
[英閣僚辞任] クック院内総務辞任 対イラク武力行使に抗議
[イラク問題] ブッシュ大統領が対イラク演説 18日午前に
[イラク問題] 安保理国連決議案を取り下げ 米、英、スペイン

 [参考資料2]            
第13回非同盟諸国首脳会議・イラクに関する声明(全文) 
 われわれ非同盟諸国首脳は、重大な懸念をもって、イラクに対する戦争が引き起こしつつある脅威がもたらしている不安定かつ急速に悪化しつつある情勢を検討した。

 われわれは、われわれと同様に戦争を拒否し、イラクに対する戦争が地域全体の不安定要因になるだけでなく、世界のすべての国、とりわけ地域の国々に計り知れない政治的、経済的、人道的結果をもたらすと確信している非同盟諸国と世界の他の諸国の数百万の人々が示している憂慮の念を完全に自覚している。

 武力行使の基本原則へのわれわれの誓約とすべての国連加盟国の主権、領土保全、政治的独立、安全保障の尊重を改めて強調する。

 現在の情勢の平和的解決を達成するための努力を尽すというわれわれの誓約を再確認する。イラクに対する戦争を回避するあらゆる努力を歓迎、支持し、一方的行動でなく、多国間の行動に基づく努力の粘り強い継続をよびかけ、国際の平和と安全を維持する国連と安保理の中心的役割を再確認する。

 
安保理決議1441(注:「用語解説」参照)に基づいて国連査察団を無条件に復帰させ、協力するとのイラクの決定は、イラクの大量破壊兵器の平和的な廃棄を世界に保証するものであり、歓迎する。

 イラクが安保理決議1441と他のすべての関連安保理決議を積極的に順守し、また順守し続けるようイラクによびかける。そうすることがイラクと国連とのあらゆる懸案を、イラクの近隣諸国を含むすべての影響を受ける国々の懸念を考慮に入れて包括的、平和的に解決することに道を開く重要な一歩になるであろう。

 イラクにおける現在の兵器廃棄の努力は、それ自体で終わるべきものでなく、
安保理決議687(注:「用語解説」参照)に基づく制裁の解除に向かって進むものであるべきだと強調する。

 イラク危機の平和的解決は、安保理がイラクの主権、領土保全の不可侵、政治的独立、安全保障と、決議687の第14項を順守してイスラエルを含む中東を大量破壊兵器のない地帯にすることをも保証できることを確信する。

《注》
  • 標記の文書は第13回非同盟諸国首脳会議(開催地クアラルンプール)で'03年2月25日に採択された。段落分けと脚注は編集者によるもの。この文書(和訳)は「しんぶん赤旗」2月27日付より引用した。原文(英文)は「アジアの声/非同盟運動ウォッチ」のHP(下記URL)から見れる。http://www.at.wakwak.com/~asia/nam/nam-j.htm
《用語解説》
  • 安保理決議687('91年4月3日採択):                                      湾岸戦争の停戦決議。イラクの大量破壊兵器の廃棄義務と国際査察の実施について定めたが、イラクの妨害・非協力により'98年以降査察は中断している。
  • 安保理決議1441('02年11月8日採択):                                     イラクの安保理決議687違反に対し、義務履行の「最後の機会を与える」ために採択された決議。イラク側の虚偽申告・非協力・査察妨害に対しては「決議への重大な違反」として安保理で対応を協議。この決議に基づき、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC、委員長ブリクス)・国際原子力機関(IAEA、事務局長エル・バラダイ)が現在イラク国内で査察を継続している。決議全文は国連オンラインのHP(下記URL)に掲載されている。
    http://www.unic.or.jp/new/pr02-104.htm
《参考リンク》
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